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生地にこだわった完全オーダーの依頼品
どうもkaiです!
この記事では依頼を受けてフルオーダーで製作した銀魂、神威の衣装製作工程を全て公開しています^^
使った生地、染め方なども解説していますので、再現度の高いコスプレをしたい方は是非みて下さい。
◆製作段取り◆
まず依頼者様サイズで型紙を引いていく為の原型というものを作ります
原型を元に型紙を引いていきます。今回はフルオーダーの為全て1から型紙を引きます。
引いた型紙を元にシーチング(要らない生地)などで1度形を出して行きます。
立体的にした衣装を見て、手直ししないといけない箇所があったら型紙を修正します。
ここでやっと生地を裁断します。
芯張りが必要な個所は芯張りを先にしておきます。
縫製
こんな感じで製作していきます。
使った生地~1番初めの型紙製作から順に製作風景を紹介したいと思います。
◆神威の衣装製作に使ったキャラヌノさんの生地紹介◆
- チャイナ服の表地→ドレスサテン – モノトーン386
- チャイナ服の表地→マットサテン – ブルー1108
- チャイナ服のカフス→チャイナ地 回字紋 – モノトーン1297(パンツの色に染めます。)
- 帯→チャイナ地 回字紋 – ブルー1291
- パンツの生地→ポリエステルジャージー – モノトーン994
★生地の写真★
神威の衣装に使う生地のポリエステルジャージーとチャイナ地

今回の神威の衣装に使う生地
こんな感じの生地を使っていきます♪
カフスのチャイナ地をパンツのポリエステルジャージーに寄せて染めていきます。
これで生地の色味が揃って衣装のつながりも良くなります(*’ω’*)
パンツをポリエステルジャージー(ジャージ生地)にしたのは
上のフィギュアの画像の様な動きが出来るようにストレッチ性の物で製作したかったからです。
神威はキャラクター的にアクロバティックな動きが多いので
もし依頼者様がそんな1場面を撮影する時に動きにくい衣装だとそのキャラらしい撮影が出来くなってしまいます><
私も自分でコスプレをする時にポージングの事や撮影場所を考えて型紙を引いたり、生地を選んだりするので
今回もいつも同様『ポージング』や『ライトに当たった時の光かた』などを考えて生地選びを行いました。
神威の衣装を普通の綿で作っている方が多い為、サテンを使う人が増えてきました。
ですが、通常のサテンは薄く、手芸初心者には扱いにくい生地の上あまりにテカリ過ぎて安っぽく見えてしまいます。
そんな生地を使って、しかも裏地も付けずに製作すると・・・考えるだけで絶対に着たくない服の出来上がりですね。
その点今回選んだ生地はドレスサテンと言って少し高い生地ではありますが、通常のサテンに比べ厚みがあって生地のテカリ具合も品があるのでおススメです^^
普通のサテンとドレスサテンとの扱いやすさは裁断の時にすぐに分かると思うので一度試して見て下さい。
★改めて通常のサテンとドレスサテンの違い★
ハリのあるドレスサテン

薄い通常のサテン

上の写真のようにつまんで持ち上げただけで生地の厚みやハリ、ライトを当てた時の生地のテカリ方の違いが分かります。
こんな薄いサテンで裏地や芯地もなしに製作してしまうと綺麗な衣装は作れません;
なので今回は表地にドレスサテンを使う事にしました!
型紙を引く
原型という型紙を引くための土台を使ってチャイナ服とパンツの型紙を引いていきます^^

型紙が出来上がったら一度要らない生地で形出しをして衣装のバランスを見て直していく所などあったら
形出ししたものにペンなどで直す線を書いて型紙の上に置いて綺麗な線にして直して本番の生地で縫いに入ります!
品のある光沢ドレスサテンで作るチャイナ服
ドレスサテンは私が1番好きな生地で、依頼者様にもサンプル帳で光沢などを確認してもらってこの生地に決めました^^
では裁断に入って行きます!

パーツが大きいので台にいっぱいですw


裁断が終わったら生地にチャコペーパーを挟み、ダーツや印をルレットで写し取って行きます。
この時型紙と裁断した生地を外してはいけません。チャコペーパーを挟み込む所だけピンを外してずれない様に
印を写します。ここで全部のピンを取ると型紙と同じ位置に印を写すのが難しくなってしまいます。
★裁断した衿を写真に撮ると・・・★

生地のしっかり感と品のある光沢が分かります。チャイナ服を製作する時に普通のサテンで作ろうと考えてる初心者の方には扱いやすいドレスサテンをおススメします!

衿は4枚カットして2枚は芯張りしていきます。芯の厚さは薄いもので大丈夫です!

全パーツ裁断が終わったら端処理をします。端処理をしたら生地を落ち着かせる為アイロンをかけます。
※生地の裏からアイロンをかけましょう!


端処理した糸はそのまま切ってしまうとほつれて意味がないので大き目の針に通して縫い目に収めておきます。
細かいようですが、こういったちょっとした手間が衣装の持ちを良くしますので面倒くさがらずやりましょう!

帯は柄があるので縫い目の柄が合うように裁断して縫って行くので気を付けて下さい!!
これを柄合わせと言います^^
カフスに使う白のチャイナ地を染めよう!
パンツが灰色なので繋がりを良くするために白のチャイナ地を染めて行きます^^

ポリエステル用の染料ブラックで少しづつパンツの灰色に近づけていきます!

◆染め動画◆


使った染料⇒マックスポイント ベストカラー (液体染料75ml) ポリエステル用 ブラック
染める時は一気に染めないで液を少し入れて少しづつパンツの色に近づけて行きます。
縫製に入って行きます!
カフスの染めも綺麗に出来たので早速縫製に入って行きます。
まずは、前・後ろにあるダーツを縫って、衿も縫い形を見ていきます!

※写真がブレててすみません;
この時点ではまだ肩も脇も縫っていません!衣装のバランスを見るだけです。
◆袖を縫う◆

袖はカフスを先に縫ってこの様にします。
16㎝と長めですが、折り曲げて好きな長さに調節出来るようになってます。

この状態でカフスの先を1㎝まげて内側に縫い付けます。
その後、見頃の肩→脇→袖と縫い合わせて行きます!

袖を縫い付けてカフスを曲げてキャラクターのイメージに近づけていきます^^
◆襟を縫い付ける◆

衿は見頃と襟の1枚だけを初めに縫って、その後見頃を衿に入れすでに縫い付けてある左の衿の様に
裏に縫い代が出ない様に少し縫い目を隠すように曲げ表から衿の際を縫い付けていきます。
◆帯の端を袋縫い◆

袖まで縫い付けたら帯の端を両方1㎝内側に曲げて写真の様に袋縫いしていきます!
これで縫い目も目立たずに綺麗に仕上がります。帯は巻くタイプです^^


チャイナ服だけでももう神威って分かりますね^^
そして素材がいいので安っぽく見えず品のある仕上がりになりそうです!
チャイナ服は裏地を付けて完成になります。
後はパンツとチャイナ服のコンシールファスナー付けとチャイナボタンです♪
パンツの裁断
パンツの生地を裁断します。

ジャージー生地は柔らかく、裁断する時に動かしてしまうと綺麗に裁断できないので出来るだけ動かさずに
裁断する様に心がけましょう!

全パーツの裁断が終わったら縫製に入って行きますが、今回はここまでです^^
コンシールファスナーを付ける
開きはコンシールファスナーを使います。
コンシールファスナーの綺麗な縫い付け方という動画があるので
付け方が分からない方はその動画を見て付けて下さい。

★コンシールファスナーの綺麗な縫い付け方★
仮縫い
本縫い
ファスナー付けが終わったら見える下の部分の裏地付けをやって行きます。
裏地を固定する
裏地を縫って、端処理をして裁縫上手ではみ出さない様に貼り付けていきます。

中表にして縫い合わせ、裏地の方に縫い代を倒しアイロンを当てます。

縫い付けた裏地はこんな感じで端処理をし、裁縫上手で止めていきます。
※表地にまつり縫いするのがいいのですが、今回の生地的に表に響きそうなので裁縫上手を使いました。

そうすると完成です!これも総裏地だとまた縫い方も変わってきますのであくまで今回の裏地の付け方です。

チャイナボタンを縫い付ける
数が多いので大変ですが、一つ一つ丁寧に手縫いで固定しいきます。
チャイナ服の開きは後ろなのでこのボタンは飾りです^^
なので外れない様にボタン口もしっかり縫い締めた状態です。

高いのに思ったより荒い作りだったので処理が大変でした;次からこのショップで購入しないと思いますw

ボタンの作りが甘すぎて1つ1つ縫うはめに・・・

縫い締めるとこんな感じで綺麗になります。

ボタンの位置決め
ボタン全て↑の処理をし終わったらボタンの付け位置を決めていきます。

この段階では納得いっていないので、何度か配置し直します。

トルソーに着せた状態でボタン位置を決めたところに薄く印を入れてあるのでそこにボタンを付けて行きます。
※チャイナボタンの付け方を動画に撮れずすみません。次回別で撮ろうと思います。
◆チャイナボタン付け終わり◆

神威のパンツの製作
パンツはポリエステルジャジーという素材なのでそのままミシンで縫いません。
ロックミシンというミシンで糸も変えて縫っていきます。
少し専門的な話になるのですが、4本ロックというロックミシンで要らない縫い代をカットしながら縫う事の出来るミシンです。
普通のミシンを使うのはウエストベルトのゴム止めの時ぐらいです!
この辺りの縫製の解説はロックミシンを持って居ないとしても意味がないので省きます。
※端処理に使っているミシンの糸をジャージー生地の縫える糸に替えて縫う。
裁断までは終わらせてありますので縫いから入って行きます^^
◆裁断したパンツのパーツ◆
ロックミシンと伸縮性のある糸


フワフワした糸になってます。伸縮性のある糸なので伸びるジャジー生地などを縫う事が出来ます。
◆縫っていく◆

こんな感じで縫って、1本を裏返して股ぐりを合わせる。

↑縫うとこんな感じになります。↑縫いながらカットして縫い代を5㎜にします。
股ぐりを合わせてぐるっと縫います。

パンツ部分を縫い付けたらゴムを通すステッチを入れ1.2㎝のゴムを3本通していく。
ベルト部分はロックミシンではなく糸を特殊な糸に替えて普通のミシンで縫う。

上糸をレジロンという糸に、下糸をロックミシンで使ったウーリーという糸を使います。
◆ベルトにゴムを通す◆

前のベルトにはゴムを通さず、後ろのベルトのみになります。前からのシルエットを良くする為です。
また、チャイナ服を着た時に前側でゴワゴワしていると着心地も悪いので;
ゴムを3本にしたのも出来るだけゴワゴワしない様にです。
◆足首のリブ◆
足首のリブには逆に大き目の幅のゴムを1本通し、裾自体にはギャザーを寄せずにゴムだけで裾が絞れる様にしました。

右がゴムを通し終えた裾。左が通す前の裾です。
パンツとリブ部分の幅が同じでゴムのみで神威のパンツの絞り感を出しています。

完成したパンツの前はゴムが通っておらずスッキリしています。
そして、全体的に細身のシルエットにした事で着た時にも綺麗に見え、上からチャイナ服を着た時にもあまり響きません。

後ろのゴムは細かく3本に分けた事でギャザーの様になり、着た時の余分な部分も細かく分散されます^^
ゴムを目いっぱい伸ばした時はヒップが通る大きさになるように製作します。
じゃないとおしりでつっかえてしまうのでw
衿付け前の仮イメージ
チャイナボタンを付けたトップ

梱包方法~お送りするまで~
梱包は出来るだけ綺麗に小分けにして行います。
パーツが分からない時は付箋に『パンツ』や『トップス』など記載しますが
今回はチャイナ服・パンツ・帯全て色が違うのでその必要はありませんでした^^

パンツも入れたら大きい袋にチャイナ服を出来る限る折りたたまない様に入れます。
アンケートとお礼の手紙・名刺
いつも製作した衣装にはお礼のお手紙と今回の衣装についてのアンケートと依頼用の名刺を入れます。
※個人のやり取りの為ぼかしてあります。

この3枚を入れたファイルを衣装と一緒に入れてお送りさせて頂いております。

これをゆうパックで送ります。衣装製作が立て込んでいる時や今回の様に体調が悪い時は集荷をお願いしますが、
家から歩いて10分ぐらいの場所に郵便局があるのでいつもは歩いて発送に行きますよ^^
以上が衣装を送るまでの流れです^^丁寧に梱包して届いた時も嬉しい様に心掛けています!
ただ残念な事に私はとても字が汚いのでお礼の手紙は何回も書き直しする事が多いです;